以前、紹介した大阪府堺市が運営する堺伝統産業会館で堺市主催では包丁研ぎ教室の他に「マイ包丁づくり」が開催されています。当然、堺市が誇る伝統工芸士の方々が講師を務めています。
これがまた超人気のワークショップの為、申し込みがとても多く、参加が抽選になるイベントです。毎週市報などを確認し、本当運よく参加する事ができました。
伝統産業会館の2階に進み、受付で参加費3000円を支払います。空いている席に座り、持ってきていたエプロンを着用。テーブルには金槌、赤鉛筆、タガネ、タガネの台が各自に用意されていて、
刃のない裏スキだけが処理された包丁を渡されます。それを手に取りながら「やった!黒打ちだ!」「これで名入れするのかー」と、ワクワクと期待が一気に跳ね上がります。※左利きの方は左利き用が準備されています。
しばらくして講師を務める伝統工芸士の方々の紹介と「マイ包丁づくり」の流れと注意点の説明を受けます。
説明後、順番に1階にある縦型水研機で刃になる部分を削り出し、ある程度削り終えると伝統工芸士の方が刃先を均等に仕上げ、荒砥石がセットされた横型水研機で均等に刃を付けてくれます。
※縦型水研機は水しぶきと研ぎカスを想像以上に上半身に受ける為、眼鏡と顔が大変な事になりました。
次は、2階に戻り、中砥石(#1000)、仕上砥石(#4000)で刃を付ける作業です。
ここでもしっかりと研ぎ方を教えてくれます。
刃つけの次は「名入れ」です。
まずは練習用の金属の板に金槌とタガネで縦線、横線、曲線、波線をカンカンと打ち続けます。これが意外とタガネを固定する手の筋肉が痛くなる。
慣れてきたら、いよいよ名入れ本番です。
誰もが「ここで失敗したら、えらい事になるで!!」と思いながら今日一番の真剣さを出していたと思います。
無事に名入れを終えると、包丁に柄を付ける作業です。
中子(柄に差し込む部分)をバーナーで炙り、柄に差し込みます。角度を調整し、柄のお尻をコンコンと叩くとなぜか中子が柄に入っていきます。
最後に椿油を引き、箱に詰めて完成!!
その後、アンケートと質疑応答の時間があります。
今回、包丁づくりを経験出来た事でとても勉強になりました。出来上がった小出刃包丁は唯一無二のお気に入りの包丁になりましたが「新品なのに使用済み!」って感じです。改めて物づくりの大変さと伝統工芸士さん達職人の技術力の凄さをより実感しました。
質疑応答もなかなか面白く、包丁、砥石、仕事などいろいろな事を話してくれますよ。ちなみに職人さんの世界も後継者不足の為、いろいろと相談にのってくれます。
運がモノをいいますが、とても楽しいイベントです。是非応募してみてはいかがでしょうか
1階には、線香、注染ゆかた、緞通、昆布、自転車、鯉幟、和菓子の体験・学習・展示コーナーのある「匠のひろば」。 こちらではものづくり体験などのイベントも開催しているようです。
また、堺の伝統産業の逸品と名産品を購入する事ができる「堺いち」があります。
2階の「刃物ミュージアム」には堺の伝統工芸士の方々が作った包丁やハサミなどが展示されています。
使ってみたい、欲しくなる事間違いなしの包丁ばかりで、中には見たこともない大きさの刃物も見る事ができます。
その他、入り口には刃物の供養塔があり、使わなくなった刃物の供養もしてくれます。
刃物以外でも十分に楽しめる施設です。また歴史ある堺市は見どころが満載ですよ。
住所 | 〒590-0941 大阪府堺市堺区材木町西1-1-30 |
開館時間 | 10:00 ~ 17:00 |
休館日 | 年末年始(その他、臨時休業あり) |
入館料 | 無料 |
伝統産業会館 URL | http://www.sakaidensan.jp/ |
堺刃物ミュージアム URL | http://www.sakaihamono.or.jp/ |
Copyright © 2014 砥石のチカラ All Rights Reserved.