砥石は使う前に十分に水を含ませてから使用します。
砥石に含まれた水は、包丁の摩擦で熱を持つのを防ぎ、すべりをよくする働きをします。
砥石がすっぽり入る容器(油等、水以外のものが付着していないもの)を用意し、砥石を入れます。そこに水を砥石の上部が5mmくらい水面から出るくらいに水を入れます。
砥石には目に見えない小さな気孔(穴)があり、そこに水が吸い上げられていきます。
砥石の中に水が吸収されていくのがわかります。
ただし、砥石の粒度や製法によってはこのようにはっきり確認できない場合もあります。
砥石全体に水が吸収されたら、砥石の準備は完了です。
※ただし、砥石の粒度や製法によっては上記方法で水を吸い上げないものもありますので、その場合は砥石を完全に水に浸してください。5分ほどで砥石に水が吸収されます。
これからご説明するのは一般家庭でよく使用されている両刃の三徳包丁を中砥石で研ぐ場合です。
包丁研ぎは刃物を扱うのでまずは十分なスペースを確保してください。
平らな場所に濡れ布きん(汚れてもいいもの)を敷いて、その上に砥石を乗せて下さい。濡れ布きんは、包丁を研ぐ時に砥石が動かないようにする働きがあります。
中には砥石台がくっついている砥石もありますが、台に付いている滑り止めゴムだけでは不安定な場合がありますので、その場合も濡れ布きんを敷いた方が安心です。
また、水をかけながら包丁を研ぐので、水を入れた容器や霧吹きなどを用意しておくとよいでしょう。
写真のように包丁を握ります。刃のアゴに親指を載せると刃を砥石に当てる角度を固定しやすくなります。
そして、包丁を砥石に45度から60度くらいの角度で乗せます。
刃の部分だけが砥石に触れるようなイメージで、刃を砥石に当てたまま、包丁の背中(峰)を少し持ち上げます
持ち上げる角度は15度くらい、ちょうど10円玉2枚が間に入るくらいが目安です。
包丁の角度をできるだけ動かさないように気を付けながら砥石の上を前後にスライドさせます。このときあまり力を入れ過ぎないようにしましょう。
一度に包丁全体を研ぐことは難しいので、イラストのように3か所に分けて研ぎます。
それぞれの部分を各20回づつくらい研ぎます。研ぐ回数を合わせるときれいに研ぐことができます。
包丁がうまく研げたかどうかは刃に包丁の削りかす(「カエリ」や「刃返り」などと呼ばれる)がついているかどうかでわかります。
イラストのように刃を指でなぞり、ひっかかりがあればそれが「カエリ」です。
「カエリ」ができていると上手く研げた証拠です。逆に「カエリ」がない場合はもう一度研ぎ直してください。
ただし、仕上砥石など粒度の高い(目の細かい)砥石を使った場合は、「カエリ」がわかりにくい場合があります。
反対側も包丁の刃の向きが変わるだけで研ぎ方は同じです。
反対側も研ぎ終わったら「カエリ」ができているか確認して下さい。
うまく「カエリ」ができていたら研ぎ終わりです。最後に「カエリ」が付いた側の刃を砥石に当て2、3回研いで「カエリ」を取ります。
研ぎ終わった包丁は中性洗剤でよく洗い、水気を切って保管してください。
砥石は、洗剤を使わずに水洗いして、日陰干ししてから片付けてください。(完全に乾くには2日間程度かかります)
※砥石が凹んでいるようであれば、面直し修正をします。面直しとは凹んだ砥石を平らに戻すことです。詳しくは砥石のお手入れページをご覧ください。
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